2010/01/29

Ubuntu on iMac -- (1) 導入まで

写真は、Mac のデスクトップに同居させたVLC(Mac)、totem & Gimp(Ubuntu on Fusion)、TVU player(WinXP on Parallels)など

新年1回目のポストということでご無沙汰になってしまいましたが、ずっと Ubuntu はいじっていたんです。正月に iMac なるものを買って、仮想マシンで Ubuntu をどう快適に動かすか、という課題に取り組んでいました。いままで Ubuntu の上で Windows も動かしていたのを、iMac の上で Ubuntu と Windows も動かす、という感じです。

■ 仮想マシン稼働は既定路線

iMac は買う前にかなり考えました。母屋が Mac になってしまうということは、メインが Mac になってしまうこと。必然的に Ubuntu とも疎遠になってしまうだろうと思ったわけです。でも、あの値段でこのパワーと広大なデスクトップが手に入ると思うと、ガマンできなかったのです。ある意味 Linux のデスクトップ環境とは対極にある MacOS を体験してみたいというのもありました。

ただ、仮想マシンを iMac の上で動かすというのは購入前からの既定路線でした。実際使いはじめて1カ月弱経ちましたが、少なくとも現時点では3つのプラットフォームのアプリをごっちゃにして使ってます。思ったほど、規模の大きなオープンソースソフトウェアの Mac 対応が進んでないのです。一番驚いたのは Gimp がネイティブではまだ experimental のレベル(実際にうちでは動作しませんでした)。OOo も「Neo Office」とかっていうのでないと、ちゃんとしたネイティブでは動いてくれません(10㌦ほどドネーションしました)。X11 の上で動かすのは面倒だし、イヤなのです。それなら、仮想マシンでほかの OS をシームレスで動かした方がいい。

主な仮想マシンソフト、VMware、VirtualBox に加えて Mac の世界ではこっちが主役、な感じの Parallels の3種類を試してみることにしました。厳密に言うと「試さざるを得なかった」。ユーザが多い Windows については各仮想マシンソフトとも最適化が進んでいるようで、
Parallelsの「Coherence/Crystal」、VMware の「Unity」、VirtualBox の「Seamless」という Mac のデスクトップとの統合もそれぞれ実装。特に Parallels は Mac に溶け込むと表現していいほどの高い次元での統合を実現しています。比して Linux に関しては、Windows への対応からするとかなり poor and unstable で、しかも各仮想マシンソフトの間で大きな差があるように思えます。そこんところを、俺的な用途を主眼としつつ比較し、ここに軽くまとめます。

ちなみに iMac に切り替えたのはメインのマシンだけで、ほかの3~4台のマシンでは Ubuntu や Windows が稼働したりしています。それから、ASCII の MacPeople 2月号で紹介されていたような「古い Mac で十分動かせる Ubuntu」のような使い方も考えていません。Windows もしかり。だから BootCamp でインストールなんて考えてないです。それなら既存のPCを使えばいいだけですから。


■ 稼働環境

iMac 27 inch Core i7 (late 2009) RAM 2GBx4
Mac OS 10.6.2

Parallels Desktop 5 for Mac Build 5.0.9308
VMware Fusion v3.0.1 (215242)
Sun VirtualBox v3.1.2 r56127


■ 購入・入手から導入まで

a) Parallels Desktop 5

まず Parallels を購入。本体購入時に特別優待版をソフマップで7680円でした。iMacを買った時のソフマップのポイントを消化する必要に迫られて買いました。正直、勝手知ったる VMware の Fusion 3 がすぐ隣に置いてあって迷ったけど、いままで試したことのないものをと思って、その一点だけで Parallels を選んだのでした。Parallels を日本で売っているラネクシーという会社は、ほかのMac用のソフトとセットで安く販売してたりもするんで、初期投資はもっと少なくなる可能性もあります。あと、日本版にこだわらなくてもDL販売の英語版でも日本語OSは普通に使えるみたいです。円高の今なら、その方がコストは抑えられると思います。それから、アップデートがすぐに日本版に反映されないみたいなんで、本家アップデートがすぐに欲しい人は、英語版を選ぶのもありだと思います。

しかしですね…Windows 以外では Coherence が機能しないことを確認してがっかりしました。立ち読みした雑誌でちらっと読んだ記憶があったんだけど、Windows ゲストの出来がすごくいいだけに(Windows を使うなら絶対 Parallels がお勧め)、これは本当に残念です。次のバージョンとかで対応したりするのかな…そしたらまた金を取られるのかな…そしたら買わないかも、と思っちゃう。でも Parallels が Windows 並みの統合を求めるなら、未来永劫 Linux には手を出さないでしょうね。それくらい Windows については高次元の統合が実現しています。ちょっと比較になりません。

ついでにいうと、お任せインストールした Windows(XP SP3)はキーマッピングやらユーザ言語やらがメチャクチャ。キーボードもいきなり英語101/102がインストールされてるし、仮想マシンの設定を en_US 用か何かに決めうちしてるみたいですね。これは「日本版」の有料ソフトとしては失格です。少なくとも現時点でお任せインストールは、メッセージ類が日本語化してるだけ。日本語版ではむしろ危険だから、ちゃんと対話インストールを選択した方がいいです。そうすれば何の問題も起こりません。一応、FAQで日本語環境に再設定する方法が紹介されているけど、IEなんかのステータスバーの一部(インターネット・セキュリティに関するステータスの表記)に、ちょっとやそっとでは直せない不適切なフォント設定があって、文字が化けます。DBCSに対応していないフォントでDBCS文字列を表示しているようです。直せば直るはずだけど、ググっても糸口が見つからないし、レジストリ覗いても簡単には見つかりそうもなかったので諦めて、対話式で再インストールしました。その方が早くて安全。これはSP3のほか、SP2でも試したけど同じ結果でした。

Linux でもお任せインストールできるけど、こちらもキーボード、ロケール、タイムゾーンの類がメチャクチャだから任せない方がいいのは同じこと。

インストールに使う光学ディスクはISOイメージ(のまま)にしておくと、時間が節約できていいです。Ubuntu もリアルCDではなくISOイメージのままインストールに使いました。Windows もわざわざイメージを作りました。作る時間がもったいないですが「対話」の時間は短くなるし、やり直したいと思った時も気軽にできます。

あ、Mac は初期インストールのソフトだけでISOイメージが簡単に作れました。すげー。


b) VMware Fusion 3

次に、Unity を求めてFusion を Smith-Micro Software というところでオンラインで購入。何か不思議な割引制度があって(ここがとっても不安なんだけど…)、アンケートに答えると割引のクーポンコードがメールで送られてきて、俺の場合は25%オフでした。決済通貨が円とドルと選べたけど、俺はドルを選んで$79.99の25%オフ。どういうレートになるか分からないけど、1㌦92円とすると5519円、すごく譲って97円としても5819円です。こないだ来たカード明細で、ドル建ての明細を見るとレートは90.2円くらいだったから、ホントお得。おそらく国内のほかのどの優待より安いんじゃないかな。詳しくは、こちらのブログを見てみてください(http://rapidweaverfan.net/coupon/vmwarefusion/)。時期によっては本当にもっと安いらしいですよ。

俺はこれに、2年間DL権を付けたのでトータルで$66.50でした。これをまぁ、CD-ROMに焼く手間とかもあるといえばあるけれど、まだ焼いてません。NASか何かに退避しておけば十分でしょ。2年の間にはバージョンも上がって、権利があっても落とし直す必要がないんじゃないかと思いまして。だったらその権利も買わなきゃよかったかな。ま、日本で買う優待版よりは安いからいいことにしよう。それから、インストールしたらちゃんと日本版としてインストールされました。

ちなみにアプストで同時購入価格は7980円。あと、アメリカ本家の VMware のウェブストアだと自動的に10%オフになる特典があるそうで、$70ちょっとになります。

Fusion もオートで必要な設定をしてくれるモードがあるけど(おそらくバージョンによりけり)、インストールは普通に対話式でやった気がします(覚えていない)。どういう具合かよく分からないんですが、Ubuntu 9.10を入れると、ログイン時のキーボードが毎回「USA」になってて、いちいち日本に切り替えなきゃいけないのがむちゃくちゃ面倒でした。ただこれも、いつの間にか起動時に「日本」になるようになってたんで、不思議です。


c) VirtualBox

でもって、最後に入手したのが VirtualBox でして、これはもう普通にダウンロードするだけ。無料だし。ただ、Linux ホストで使っててタイミングというか正確なクロックの刻みが必要な用途、たとえば音楽の再生とかには向いてない、という印象だったんで、正直あまり重視していませんでした。というか、そもそもまず最初にこの無料の VirtualBox を試してみるべきだったけど、全く思い出さなくて…そもそもソフマップのポイントが消化できないし(当たり前だけど)思いつかなかったんです。でもインストールしてみました。


以下「どう動いたか」編に続きます
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(Jan.29.2010)

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